賃料滞納があったからといって、賃貸人(オーナー様)は何でもしてよいということにはなりません。してはいけないことの中で特に気を付けて頂きたいのは、次のようなことです。

1.無断で入室する
 賃料を滞納している場合であっても、無断で入室したような場合には、たとえ賃貸人であっても刑法上の住居侵入罪に問われる可能性があります。

2.鍵の変更
 日本の法制度上の原則として、「自力救済禁止」というものがあります。相手方が退去に応じない場合、裁判によらずに、自分の力で権利を実現してはいけないというものです。
 賃借人が賃料を滞納している場合で出て行ってくれない場合、鍵を変えて賃借人が部屋を使えなくしてしまうことは、この「自力救済」に該当する典型例です。

3.荷物や駐車場の自動車を撤去してしまう
 これも、「自力救済」の典型例とされています。
 賃貸人から見れば無価値の荷物や自動車であったとしても、裁判・強制執行によらずに撤去してしまったような場合、賃借人から、損害賠償請求を受ける可能性があります。また、撤去した人に、窃盗罪や器物損壊罪という犯罪が成立する可能性もあります。

 以上のような事柄の他にも気を付けて頂くことはあります。
 賃料滞納が発生した場合、安心して明渡しを実現するためにも、強制執行まできちんと責任をもって代理人として行動できる弁護士に相談・依頼されることをお勧めします。