質問

新築マンションを購入したのですが、上の居住者の洗濯機や台所、トイレの排水音が気になってしょうがないのです。
売主業者にどのような請求ができるでしょうか。

回答

まず、小規模の防音工事(排水管に遮音シートなどを被せる等)などで遮音ができる可能性もありますので、任意に売主業者に防音工事の施工を求めてみるべきです。

仮に売主業者がこのような工事さえしない、また、このような工事をしたとしても防音が不十分という場合には、生活騒音対策工事が不十分であり居住に耐えない物件であるからマンションの購入契約を解除する、また、損害賠償請求するということが考えられます。

これに対して、売主業者側は、室内騒音レベルは各種基準の範囲内である居住に耐えないことはないなどと反論してくることが予想されます。

このような場合、裁判所は受忍限度という基準で生活騒音が居住に耐えないかどうかを判断するのですが、これは基本的に社会通念上一般の人が耐えられるかどうかという観点から判断するものであって、あまり客観的な基準ではありません。そこで、日本建築学会が定めた遮音性の基準や環境基本法の「騒音にかかる環境基準」などで判断されることになるでしょう。

そして、仮にこれらの基準の範囲内ということであれば契約の解除や損害賠償請求は難しいと思われます。また、基準の範囲外であったとしても上記の小規模の防音工事等の施工により基準の範囲内になるということであれば契約の解除は認められず、その工事費用相当額の損害賠償請求が認められることになるのではないか考えられます。