質問

 建物の建替えの請負契約をし、建築を始めたら、北側に位置する隣人から、新しい建物によって日照時間が減るので、その建物の建築を一時ストップし、もっと日照時間が増えるように設計を変更してくれと言われました。 この要求に従わなければならないのでしょか。

回答

日照の利益を侵害している場合、北側の隣人は、その侵害の程度に応じて、建物の設計変更、損害賠償を請求することができます。 それでは、どのような場合に、これらの請求をすることができるかですが、日照の侵害によって生じた損害が、社会生活上一般的に加害者において忍容するのが相当とする程度を超えたとき(受忍限度を超えたとき)とされています。

設計変更は受忍限度を超える程度が著しい時、それほどではないが、受忍限度を超えるというときは、損害賠償のみが認められます。 建築基準法の日影規制に従っている場合は、建物の建築によって日照時間が減るとしても、一般的には受忍限度の範囲内とされています。したがって、今回の北側住民からの要求は、法的には難しく、拒否することも可能です。
ただし、日照時間が減る程度が著しい場合は、損害賠償が認められることもないとは言えないので、必ず受忍限度の範囲内になるという訳ではありません。

実際の訴訟などでは、損害賠償も認められないことが多いのですが、仮に、損害賠償が認められるとした場合、30~40万円程度が多いのではないかと思います。