紛争の内容
ご依頼者は、不動産業者からマンションを購入したところ、そのマンションは、売主側でリノベーションがされている物件でした。
ご依頼者によれば、住み始めのうちはよかったものの、リノベーションされた設備の不備が見つかり、生活をするにも困る事態となったとのことでした。
この点、当該物件は、リノベーションをされ、その設備が使えることが当該マンションの売りとされており、ご依頼者はその点を重視して当該マンションを購入していたために、その設備が使えないという瑕疵は重大なものでした。
そこで、今般、売主に対して、設備を使えなかったことで負った損害について、損害賠償請求をするというご依頼をいただくこととなりました。

交渉・調停・訴訟等の経過
当該物件は、リノベーションされた設備を売りにしており、ご依頼者が購入した部屋と、他の部屋とでは販売価格に違いがあったため、その違いを売り出し情報から比較し、ご依頼者が負った損害がいくらかを算出したところ、概算で200万円程度となりました。
そこで、相手方に対し、損害額とその算出根拠となる資料なども提出したうえで、損害賠償を求める交渉を開始したところ、相手方も当該物件に瑕疵があることを認めたため、相手方が解決金を支払うということで、和解を締結することとなりました。
もっとも、相手方が支払うことのできる解決金については、双方に開きがあったため、額について交渉を重ねることととなりました。

本事例の結末
解決金の額について、ギリギリまで交渉を重ねた結果、最終的に、早期解決という観点から、ご依頼者の納得のいく金額で和解を締結することが出来ました。

本事例に学ぶこと
不動産を購入することは、一般的に一生に一度あるかないかだと思います。その一度の買い物のなかで、当該物件に不備がある場合には、業者の方が立場が強いため、泣き寝入りになりがちだと思います。
ただ、客観的な資料を基に、実損が生じていることを主張することで、損害賠償請求を行うことも可能な場合がありますので、お悩みの場合には、一度、弁護士にご相談されることをおすすめいたします。

弁護士 渡邉 千晃