質問

定期借家権を設定した場合の連帯保証人の責任について教えてください。

回答

たとえば、期間3年の定期借家契約を締結した場合、その後、さらに定期借家契約を締結するには、期間満了の1年前から6月前までの間(通知期間)に借主に対し、期間満了により契約が終了する旨の通知をし、期間満了時に、いったん契約を終了させた後、新たに期間3年の定期借家契約を締結するという形を取ります。

この場合、最初の契約時に連帯保証人となった者の責任は、最初の契約期間中に発生した借主の債務についてだけで、新たに締結された定期借家契約の契約期間中に発生した借主の債務については責任を負いません。
※ 普通借家権(正当事由がなければ終了しない借家権)の場合、最初の契約時に連帯保証人となったものは、契約更新の際に連帯保証人にならなくても、更新後に発生した賃借人の債務についても責任を負うとされているのと対照的です。

次に、期間3年の定期借家契約を締結した後、期間が満了し、新たに定期借家契約を締結しなかったにもかかわらず、借主が建物を使い続けている場合はどうでしょうか。

① 貸主が通知期間内に終了通知をした場合
この場合は、期間満了時に定期借家契約は終了し、以後賃借人は不法占拠者になります。したがって、期間満了時の賃料相当額(賃料の2倍というようなペナルティーが付されている場合はそのペナルティーの額)の使用損害金につき、連帯保証人は責任を負わなければなりません。

② 貸主が通知期間内に終了通知をしなかった場合
この場合は、貸主は定期借家契約の終了を賃借人に対抗することができず、賃貸借契約が継続していると考えられますから、この間に生じた賃借人の債務について、これと異なる特約がない限り、連帯保証人は責任を負わなければならないと考えられます。