紛争の内容
依頼者は、被相続人の遺産(農地を含む複数の不動産)について、家庭裁判所に対し、遺産分割調停を申し立てた。同調停は審判手続に移行し、最終的に、遺産である全ての不動産が相続人全員の共有となった。
その後、同不動産の共有状態の解消について、事件を受任した。

交渉・調停・訴訟などの経過
 共有関係にある相続人らとの間で、依頼者が全ての不動産を単独取得し、他の共有者に対して代償金を支払うことを内容とする共有物分割の交渉を行った。
 交渉が難航したため、農地を除く不動産に関して、共有物分割請求訴訟を提起した。なお、農地に関しては、農地法上の許可がなければ単独取得できないため、訴訟の対象から除外した。

本事例の結末
裁判官の斡旋のもと、依頼者が農地を含む全ての不動産を単独取得し、他の共有者に対して代償金を支払うことを内容とする和解が成立した。なお、農地に関しては、他の共有者が持分を放棄するという方法で、依頼者が単独取得をするに至った。

本事例に学ぶこと
 本件は、遺産分割の段階で交渉を尽くしていれば、より早期に解決をすることができました。同様の事案に関しては、遺産分割の段階でご相談をいただくことをお勧めします。

弁護士 森田茂夫