紛争の内容
共同相続人である兄(原告)と、前訴である遺産分割審判にて争っていたところ、同審判により相続不動産の共有状態が生じていました。
その後、兄から同不動産について分割を求める訴訟が提起されました。
しかし、ご依頼者である被告は、現物分割を望んでいたため、この点及び、実際に現物分割をする場合の分割方法が争点となりました。

交渉・調停・訴訟などの経過
原告は、現物分割自体は同意したものの、不動産の価値が土地の北部と南部で異なるなどと主張し、分割の方法が決まらず、数回の期日を重ねました。
しかし、被告側がこれまで本件不動産の固定資産税等を負担していたこと、北部と南部で大きく価値が異なるということも考えにくいこと、被告の息子が、南部の土地を所有しており、被告が南部の土地を取得するのが合理的であると考えられたため、被告の主張がとおり共有持分そのままで、北部を原告、南部を被告とし、その境界にある建物については協議の上一部取り壊す合意をしました。

本事例の結末
和解により原告(相手方)が目的物不動産の北部を、被告(ご依頼者)が同不動産の南部を取得し、現物分割で共有持分に応じた共有物分割をするという被告の要望がすべて通りました。

本事例に学ぶこと
共有物分割において、合理性があるとしてその分割方法を裁判所に選択してもらうには、様々な要素があり、こちらに有利な要素については、きちんと主張していく必要があります。