紛争の内容
賃貸人Aは、賃借人Bに対し、アパートの1室を賃料月額7万円で賃貸し、更新を重ねてきました。
しかし、半年ほど前よりBからの入金が遅れがちとなり、遂には入金が途絶え、3か月分以上が滞納の状態となりました。
督促しても芳しい返答がないため、ご依頼のうえ、物件の明渡しを求めて訴訟を提起する運びとなりました。
交渉・調停・訴訟等の経過
弁護士名の内容証明郵便を送って未払い賃料の支払いを催告したものの、Bは期限内に支払わず、賃貸借契約は解除されるに至りました。
そこで、速やかに建物明渡請求訴訟を地方裁判所に提起し、第1回口頭弁論期日が定められました。
ところが、この間、管理会社がBと連絡を取って転居を促したところ、第1回期日の前に、Bは自ら引越し業者を手配してアパートを引き払いました。
本事例の結末
訴訟を提起したものの、Bが任意に明渡しをしたため、Aは訴えを取り下げて終了となりました。
(未払賃料については、これ以上請求しないということで終了)
本事例に学ぶこと
本件では、間に入っていた管理会社が熱心に動いてくれ、次の転居先を探すBの相談にも乗っていたそうです。
おかげで、早期に、任意の明渡しを受けることができ、判決に基づく強制執行の労を取らずに済みました。
弁護士 田中 智美