建物明渡し訴訟については、弁護士だけでなく、認定司法書士も訴訟の代理人となることが可能です。そこで、弁護士に依頼することのメリットをご説明したいと思います。

1 弁護士は、金額に関わらず、ご依頼を受けることができます

 弁護士は、裁判の対象となる金額(「訴訟の目的物の価額」と言います。)に関わらず、事件の依頼を受けることができます。
 建物明渡し訴訟の場合、訴訟の目的物の価額は、建物の敷地・駐車場として利用している土地の固定資産評価額から算出しますが、この金額がいくらであっても弁護士はご依頼を受けることができます。
 また、建物明渡しと併せて滞納家賃の請求をする場合もありますが、請求する滞納家賃と固定資産評価額から算出される建物・土地の価額とを比べて高い方を訴訟の目的物の価額とします。
従って、請求する滞納家賃の金額がいくらであっても、弁護士は依頼を受けることができます。
 認定司法書士の場合は、訴訟の目的物の価額が140万円を超える場合には訴訟代理権はありませんので、ご依頼を受ける事案に制約があることになります。

2 控訴がされた場合でも、弁護士は依頼を受けることができます

明渡し請求訴訟の場合、控訴をされることもありますが、認定司法書士は、控訴がされた場合の控訴審での訴訟代理権は認められていません。このような場合、改めて弁護士に依頼しなければいけないことになります。
  弁護士であれば控訴をされた場合でも訴訟代理権がありますので、途中で専門家を代えることの心配がありません。

3 裁判所の種類に関わらず、弁護士は依頼を受けることが出来ます

 認定司法書士は、簡易裁判所の訴訟代理権しか認められていませんが、弁護士は、簡易裁判所でも地方裁判所でも、訴訟代理権が認められています。
 建物明渡し訴訟は、訴訟の目的物の価額が140万円を超えない場合、地方裁判所にも簡易裁判所にも起こすことができるため、認定司法書士は、簡易裁判所に訴訟を起こします。
 しかし、簡易裁判所に訴訟を起こしても、被告(賃借人)が申し立てをした場合には、地方裁判所に事件を移すことになっているため、その後は、弁護士に依頼しなければいけないことになってしまいます。
 弁護士であれば、裁判所の種類に関係なく依頼を受けることができますので、このような心配をすること無く、相談・依頼することができます。

4 強制執行の代理も、弁護士は依頼を受けることが出来ます

 明け渡しを命じる判決が出たのに関わらず、賃借人が任意に退去しない場合には、建物明け渡しの強制執行の手続きをとる必要がありますが、認定司法書士は、強制執行の代理人となることはできません。
 強制執行を申し立てた後は、執行官との連絡、執行業者・解錠業者の手配などが必要となり、場合によっては、警察への援助要請の根拠となる連絡文を作る必要なども生じます。弁護士へ依頼すれば、これらはすべて弁護士が対応できます。また、現場での判断が必要となる場合もありますが、弁護士であれば、賃借人の代理人として立ち会うこともできます。
 弁護士であれば、強制執行の終了=明け渡しの完了まで任せることができます。